平成30年度 新たな課題に対応した人権教育研究推進校としての取組
平成30年度 新たな課題に対応した人権教育研究推進校としての取組
1 研究当初の児童生徒の状況と課題
さまざまな背景を抱えている児童が数多く在籍し、基本的な生活習慣や授業を落ち着いて受けることに課題があるなど要支援児童が多いこと、長欠児童やその予備軍である遅刻の常習者が多いこと、自尊感情・自己有用感が低い児童が多いこと、などの課題を有している。
2 研究テーマ
「 自他を尊重し、ともに高め合う児童の育成
~ 一人一人が大切にされ、誰もが通いたくなる学校づくり 」
3 ねらい
すべての学校教育活動を、自尊感情や自己有用感を育む視点から捉え直して行う。
学校全体で共通理解を図り、児童一人一人をみんなで大事にするチーム学校を構築する。
4 具体的な取組
(1)研究の概要(様式1)
(2)各領域における取組
ア 教科における取組
イ 道徳における取組
ウ 特別活動における取組
エ 総合的な学習の時間における取組
5 成果と課題
(1)成果
・仲間と関わり高め合う授業(協働学習)の研究や、体育科をはじめとした達成感・成就感を味わわせる学校教育の捉え直し、人権週間の取組だけではなく年間を通じた人権の取組、ファミリー活動(たてわり活動)など、様々な取組をする中で児童らの自尊感情や自己有用感を育むことができた。
・また、情報収集と整理による「見える化」や、「よってたかって」を合言葉にした組織的な生徒指導体制づくり、学校環境適応感尺度(アセス)・スクリーニングリスト・児童理解タイムの実施など未然防止の観点からの積極的児童理解の体制が構築できた。またこれらに取り組むことで、問題行動や不登校などの事後対応に追われる時間を減らすことができ、業務改善につなげることができた。
・これらの取組の結果、不登校児童を大幅に減少させることができた(30日以上の長期欠席者の半減、連続7日の長欠報告書の3分の1への減少)。
・思いやる言動、児童どうしの助け合いの場面が増加し、異学年でのトラブルが減少した。
・アセスの結果を見ると「教員からのサポート」「友人からのサポート」項目が上昇し、自尊感情・自己有用感が高まってきている。
・学校全体があたたかい雰囲気の中、落ち着いて学習に取り組めている。
・これらの成果について、阪神地区生徒指導担当者研修会、阪神地区人権同和教育研究会、尼崎市SSW活動報告会で実践発表を行った。また、平成31年3月発行の教育あまがさき83号に実践報告として掲載されている。
(2)課題
構築できた組織的チーム体制を継続し、「一人一人を大切に」する意識を今後も高めながら児童の自尊感情や自己有用感を高める取組を進めていき、「誰もが通いたくなる学校」づくりをさらに推進していきたい。