挑み続けた3週間(教育実習)

1434602278373[2].jpg6月1日から2人の教育実習生が来ています。明日19日が最終日です。

高田先生と村田先生です。

2人はしめくくりとなる研究授業を行いました。

村田先生の授業を紹介します。

 

【しめくくりの授業】
日時:平成27年6月18日
クラス:3年2組
テーマ「戦時下の人々~その当時の若者たちは何を思っていたのだろう~」
 
今週で教育実習が終わることに、生徒たちは名残惜しそうだ。「文化発表会来てや」とある女子生徒。村田先生は「行こっかな?でもそのころには、もう忘れてるんちゃう?」と冗談めかす。和やかなムードで授業は始まる。
 プリントを配布する。パワーポイントを使って、前の時間の振り返りをしたあと、太平洋戦争当時の様子について、写真を示しながらイメージを膨らませていく。集団疎開の写真を見て、「どこに行くと思う?」と問うと、「修学旅行」と突拍子もない答えも飛び出す。疎開の理由について、東京、大阪、名古屋、神戸に空襲が多かったことを資料集から読み解き、「児童を避難させるため」とプリントにメモさせる。「書けたら顔を上げてください」と、村田先生はていねいな目配りをする。
 勤労動員、学徒出陣など重要なキーワードにふれたあと、いよいよメインテーマに入っていく。
「ある物を持ってきました」とゼロ戦の模型を見せると、生徒たちの注目を集める。
「これでどうする?」
「つっこんでいく」
「なんていう?」
「特攻隊」
 当時の動画を見せ、「250キロの爆弾と、片道のガソリンを積んで敵艦につっこんでいく作戦でした」と説明し、当時の若者の思いをイメージしながら彼らの思いをプリントにつづっていく。そのあと、GLT(Group Learning Time)=グループ学習に取り組む。4人1組でお互いの文面を紹介する。村田先生はこまめに机間巡視を行い、当時の様子をイメージしやすいように補足説明していった。盛り上がる話し合いに時間をとられ、しめくくりの時間が取れないまま、授業は終わった。
【感想】
「第二次世界大戦はどのように始まったか」という、歴史の事象を整理する授業にもできたが、あえて「戦時中の若者がどう思っていたのか」という難しいテーマに挑んだ、そのチャレンジ精神に頭が下がりました。
 実習のはじめ。「何をテーマにしますか」と村田先生に問うと、「多様な活動を取り入れた授業づくり」という答えが返ってきた。それを実現したのが、この授業だった。
 
 ・パワーポイントと配布プリントをリンクさせ、わかりやすく事象を確認させる。
 ・資料集を読み解き、都市部に空襲が多かったことに気づかせる。
 ・当時の特攻兵の気持ちをイメージし、その思いをプリントにつづっていく。
 ・それぞれの思いをGLTで共有する。
 
たったの3週間で、これほどの多様な活動を取り入れた授業を作り上げた努力と、貪欲さに敬服します。この気持ちを忘れず、採用試験をがんばって教師人生をスタートさせてください。(尾之内)
 
 

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