2026年3月

2025(令和7)年度 新たな課題に対応した人権教育研究推進校としての取組

1 研究当初の生徒の状況と課題

 本校の生徒は、全体的には落ち着いた学校生活を送り、学校行事に積極的に取り組むことができる。
 しかし、個々の生徒に焦点をあてると、要因は様々ではあるが、学力に課題を抱えた生徒がいる。さらには、不登校傾向にある生徒やサポートルーム登校を行う生徒がおり、様々な事情から諸機関と連携しながら支援を行う必要性を有する生徒もいる。また、生徒間のトラブルでは、他者への理解を欠いた言動が原因となっているものが多く、想像力や共感する力に課題を感じられる状況にあり、インターネット上でのトラブルも生じている。これらの課題の根底には「安心して生活できる場の少なさ」「低学力から生じる自尊感情の不足」「他者理解と共感力の育成」などの課題があるものと考えられる。

2 研究テーマ

全ての生徒が安心して生活できる学校づくり ~生徒の実態に応じた指導の充実~ 

3 ねらい

「安心して過ごすことのできる場の設計」「将来を切り開くための学力の習得」「他者への理解を深める人権教育の実施」の3つの観点から人権教育の充実を図り、本校の課題の解決に結びつける。

4 具体的な取組

 (1)研究の概要(様式1)

 (2)各教科等における取組

  ア 教科における取組

    ・ 取組の概要(様式2)

・ 指導案

・ 生徒のワークシートと授業の様子

  イ 特別の教科 道徳における取組

    ・ 取組の概要(様式2)

・ 指導案

・ 生徒のワークシート

  ウ 総合的な学習の時間における取組

    ・ 取組の概要(様式2)

   ・ 授業の展開と生徒の様子

  エ 特別活動における取組

    ・ 取組の概要(様式2)

   ・ 指導案

   ・ 生徒のワークシートと授業の様子

5 成果と課題

 (1)成果

 生徒たちのワークシートの記述を分析すると、今までよりも人権尊重についての意識が深まり、他者への理解を深め、良好な人間関係を構築するための姿勢を身に付けつつあるのではないかと考えられる。特に、人間関係を構築するために必要なコミュニケーションについて、様々な場面で話合い活動やロールプレイングなどを通して学ぶことができた。さらに、それぞれの人権課題についても学びを深めることができた
 まず、SNSとインターネット上の人権については「みんなを傷つけないために、SNSでの会話などは物事をしっかり考えて発言する」などの記述が見られ、今後SNS などを活用する際に必要な人権尊重の意識を深めることができた。
 次に、外国にルーツのある人々との共生については、「日本人と外国人とで違うことがあっても、お互いにわかり合うことが大切」「(お互いを理解するために)さらに気楽にコミュニケーションをとる必要があるのではないか」といった記述があり、今後外国にルーツがある人々との共生をめざすうえで必要な姿勢について学ぶことができた。
 デートDVや女性の人権については、実際にロールプレイングを行い、実践的に学ぶことができた。特に、「DVだけに限らず、友人関係などにも通じる話だった」や「まわりの人とは対等な関係で接していきたい」という記述から、望ましい人間関係の構築と、コミュニケーションのあり方について、理解が深まったと考えられる。また、「身体的暴力だけでなく精神的暴力などのいろいろな暴力があることを知った」という記述から、今まであまり考えることのなかった「暴力とはなにか」ということについても、学ぶことができた。
 北朝鮮による拉致問題については、「知らない」と答える生徒が一定数存在し、その問題の風化を実感することになった。拉致問題の風化を防ぐためには、人権教育の柱のひとつとして社会全体で取り組む必要があるのではないかと考える。

 (2)課題

  今回の課題として、第一に、学習した事柄が"生活の中でどのようの実践されるのか"という課題がある。 学習の場面においては、生徒たちは様々な活動を通して理解を深め、「頭ではわかっている」という状態になるが、日常生活の場面において人権尊重の意識をもち続け、人権を尊重する行動がとれるかどうかが重要である。この課題を克服するためには、人権課題を扱う時間のみで終わるのではなく、日常の学校生活の場面に人権尊重について考える仕掛けを常に作り続ける必要があるのではないかと考える。
 次に、今年度については、主に生徒によるワークシートの記述分析を通して、人権尊重の意識がどのように変容していったかを確認した。今後は、学習の前後でアンケート調査を行うなど、定量的な分析を行う体制で取り組み、より学習の効果を測定する必要があるものと考えられる。

 

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