2012年11月

教育総合センターだより No.126

・ 「感性」 尼崎市立大庄北中学校 校長 井上 公哉

・ 子どもたちが教えてくれた人権感覚 学校教育課 人権教育担当係長 栁 一光

・ 算数・数学研究部会に参加して 尼崎市立浜田小学校 教諭 山岡 正明

・ 教育情報コーナーへどうぞ

・ 視聴覚ライブラリーからのお知らせ

 教育総合センターだより No.126(PDF)

 武庫川女子大学 健康・スポーツ科学科 教授 北島 見江 氏を講師として迎え、ダンスの指導実践について、専門的な立場から講話と実技演習をいただきました。     

≪ 内容 ≫
  講話及び演習  「ダンスの指導実践」 ~今日からトライ!!10秒デッサン  

≪ 講話及び演習 ≫
 *自由に、ダイナミックに身体を動かそう 

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 ・ ウォームアップ
 ・ ステップアラカルト&ストレッチ
 ・ 恥ずかしがらず堂々と踊り続ける
 ・ 空間いっぱいに思いきり動く
 ・ リズムに乗って汗をかく

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 恥ずかしさ感じる間もなく素早く切り替わるリズミカルな展開や、「ダンスは思いきりが大切、それが格好良い」という講師の励ましの声かけに、受講者のダンスは次第にダイナミックになっていきました。

 *仲間と一緒に呼吸を合わせ、声を出す

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 ・ 「祭り」から“動き”や“掛け声”を
   連想する
 ・ ペア・グループワークによる10秒
   デッサン
 ・ 隊形の集・散・移動などの変化を
   つける
 ・ 動きに見合った「かけ声」をかける
 ・ 動きの繰り返しを活用する
   (ロンド・カノンの形式など)

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 表情もかたくどこかぎこちない感じの受講者たちも、演習の終わり頃には、笑顔が見られ、打ち解けた雰囲気で熱心にダンスに打ち込んでいました。

 各グループでの発表では、自分たちのダンスを堂々と踊る姿も見られ、達成感に満ちた表情も印象的でした。

 指導者側の適切な声かけの大切さやねらいを持った場の設定の重要性を受講者は実感することができ、今後の指導に生かせる実践的な研修となりました。  
 

 ≪ 受講者からの感想 ≫

  • 指導する側が楽しそうだと、生徒にもそれが伝わるんだと思いました。お互いが楽しめる授業になるよう、教材研究をしていこうと思います。
  • 今回のような実践的な研修を望みます。

 

【  中学数学 「比例と反比例」  】
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  常陽中学校にて、マイスター教員の授業を見せていただきました。
 

 先生の授業には、以下のような細やかな支援が常にありました。

  1. 問題に取り組む生徒の机間巡視による丸付け
  2. ヒントカードの提示
  3. 友だち同士の教え合い
  4. 振り返りができる工夫されたワークシート
  5. TTとの連携による効果的支援
  6. 5分間計算(反復練習)の取組と個人カードの効果的活用

 生徒の主体的な姿が印象的でした。

 授業の組立や工夫が、子どものやる気を引き出すということを実感する研修でした。
 
 

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 ≪ アンケートより ≫
  • 関数は、子ども達にとって大変難しい所で苦手意識が強い中、自ら解いていこうとする姿が多くありました。
    小学校高学年から中学校へうまくつないでいけるように研究していかねばと思いました。
    また、小学校低学年で学ぶ基礎の力も、とても大切だと改めて考えさせられました。
  • とても丁寧な授業で大変勉強になりました。大久保先生と生徒との関係もよいと思った。
  • 大久保先生の「生徒のために」という思いが、1つ1つの取組から感じ取ることができました。
  

 

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 尼崎北小学校にて国語科(百年後のふるさとを守る)の授業を公開していただきました。

 伝記紹介文の交流を単元の目標として、書くことに重点を置きながら、授業を展開します。

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  本文から読み取った内容で、最も心に残ったことを選び、交流します。

 これまでの学習内容を掲示したり、ノートの書き出し文を示したり、全体で交流する前に3人で話し合う等の工夫があり、子どもたちの積極的に取り組む姿が見られました。

h2411203n103.jpg 授業後半には、「勇敢さがすごいと思いました。これからは周りの人を助けられるようになりたい。」「優しさがすごい。自分は、財産を払ってまで出来ないと思う。」等の意見が交流されました。
 
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 研究協議では、ノート指導や交流の仕方について等の質問が相次ぎ、熱心に質疑応答していました。

 また、交流会では学習規律や学級経営、校務分掌等の内容について話し合いました。

 ≪ アンケートより ≫

  • 同期の授業は刺激をもらいます。
  • グループ協議は話しやすくて良かった。
  • 皆さん悩んでいることがあると分かり、明日からもまたがんばろうと思いました。

 

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  大庄北中学校にて英語科 ( CareerExperience 職場体験学習 )の授業を公開していただきました。

 クイズ形式の展開から、今日の学習に生徒を引き込みます。

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 ティーム・ティーチング(TT)の授業にあたり、どちらでもメインで指導できるまで打ち合わせをすることで、きめ細やかな指導や臨機応変に対応することができます。

 ワークシートを活用し、学習内容の効果的な定着を図ります。

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   研究協議では、多くの意見を交流し、学校の様子や教科の違い、TTの指導のあり方等、多くの内容について話し合いました。

  指導助言では、いい授業の条件や指導の3段階、10分ルール等、活用できる多くの内容をご指導いただきました。

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  交流会では、教科指導や生徒指導、保護者対応他、いろいろな内容について話しました。

 同期ということもあり、いい刺激となった様子でした。

≪ アンケートより ≫

  • 公開授業ご苦労様でした。
  • 他教科でしたが、授業づくりに活かせそうなこともあり、大変参考になりました。
  • よい刺激となりました。出来ない、難しいと諦めるのではなく、何か手立てを考えていきたいと思います。
    そして、引き出しを増やしていきたい。
  • 久々に同期の先生方に会えて、パワーをもらいました。

AMA-NET内(研修資料)に指導案がありますのでご活用ください。

 

武庫庄小学校にて4年生国語の授業を参観しての研修を行いました。
主に国語における導入の工夫と、授業中の机間巡視など、教師の役割について、授業の前と後とで研修をしました。
h241023stepup1.jpg 授業前に参観者36人が36通りのアイデアを出し、授業がはじまると37通り目の授業が展開されました。授業後、たくさんある方法から児童が授業に前向きに取り組める方法を研究することの意味を確認できた時間でした。

 

 子どもたちは、付箋を使って思考操作活動をし、グループで考えを整理していく姿がありました。教師の指示・発問をよく聞いて学習に意欲的に進めていました。

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 子どもたちや授業者のがんばる姿を参観したあとの事後研究会は、意見の活発な会となりました。

 ≪ アンケートより ≫

  • 同じ4年生の担任として、非常に参考になりました。国語の導入の仕方、子ども達が単元の見通しを持つまでの流れが、わかりやすく見て取れました。自分の学級でもやってみます。
  • 気づきの多いとても有意義な研修でした。今まで単元全体を見通した導入設定という意識がなかったので、ねらいが大切ということがよくわかりました。
  • 授業を実際に考える研修は、具体的でいつも参考になります。授業者の方や、他の新任の方の導入案は、自分が思いつかなかったものばかりで、「いろいろな考えがあるなぁ」と改めて感じました。また、授業者(坂東先生)の学級経営がとても勉強になりました。
  • 一緒に研修を受けている初任者の授業を見せていただき、勉強になりました。授業を考えることで、やる気が湧いてきます。今日得たやる気と技術を使ってがんばりたいです。すてきな授業をありがとうございました。おつかれさまです。

 

【 道徳教育研修:あたたかい道徳授業をつくるために 】

 

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1 道徳ってなに?
2 あたたかい道徳授業をつくるために
  (1) 学校における道徳教育の目標
   (2) 道徳の時間の目標h241016syo2.jpg
   (3) 道徳教育の内容と内容項目
3 指導案を書こう
  (1) 導入
  (2) 展開(前段 後段)
   (3) 終末
   (4) 発問と助言
4 指導方法 
5 道徳教育における評価 

など、明日の実践につながる内容をお話いただきました。

午後には、ワークショップ形式で4部会に分かれ兵庫県の副読本を元に研修を行いました。
 
≪ アンケートより ≫
  • 道徳の授業をどう進めていけばよいのか、いつも迷うのですが、午前午後と具体的な授業内容を聞かせていただいたことで、実際にクラスでやってみたい内容がたくさんあり、とても勉強になりました。
  • 難しく苦手意識のあった道徳の授業の手がかりをつかめたように思います。様々なやり方を使って、
    授業を行いたいと思います。
  • 今日、教授いただいたことは、実践しようと思います。
  • 道徳の指導案の組み立て方がよくわかりました。また、中心発問を何にするかで、こんなにも違った展開になるのかという驚きがありました。質問や発問の出し方の勉強もできました。
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【 特別支援学級「くらべよう」 】

明城小学校にてマイスター教員の授業を見せていただきました。
金崎先生の授業は、スムーズな学習段階の設定がされており、終始テンポがよく、子どもを飽きさせない授業でした。

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≪ 指導の流れ ≫

step1 : 動物の特徴をしろう
        「○○の○○は、長い」
step2 : 色鉛筆の長さを比べよう。
         「○○は○○より、長い」
         「○○と○○の長さは、同じ」
step3 : 電車やテープの長さを比べよう
        規準となるもののいくつ分(数値化)
step4 : 本時の学習をふりかえろう

 「楽しい学習」とは・・・・

(1) ひとりひとりの発達に応じた課題であること
(2) 身近な教材で興味や関心が持てること
(3) 「できた、わかった」と達成感が味わえること
(4) 活動や体験を通して身体全体で感じ取れること
(5) 自分のしたことを認められ、ほめられること
(6) 友だちと関わりの場があり、共感できること

 金崎先生は、これらの(1)から(6)を考慮して、授業をつくることが大切だとお話されました。

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≪ アンケートより ≫

  • 自分の授業のあり方について考えさせられました。教材づくりを一人ひとりの実態に合わせてつくることをがんばっていきたいと思う。
  • 今日は、お忙しいところ、本当に貴重な授業を見せていただきありがとうございました。特別支援学級は担当したことがありませんが、授業づくりという点で参考になる導入の仕方や子どもの心のつかみ方などがみられ、今後に生かしていきたいと思いました。
  • 導入の仕方から講話の内容までとてもためになるもので、ありがたかったです。

 

 本研修は、初任者の選択研修の一つでもあり、市内中学校より20名の初任者が受講しました。
 園田東中学校にて公開授業を参観し、授業づくりについての考えや今までの実践を交流しました。
 同期の熱意ある実践に感銘を受け、今まで以上に指導者としての力量を高めるべく、初任者は気持ちを新たにしていました。

≪ 内 容 ≫

  1. 教材研究
  2. 公開授業  教  科 第1学年理科 「物質の姿と状態変化」
  3. 研究協議

≪ 教材研究 ≫

  • 一人一人が授業の展開を考える
     公開授業参観前に、本時の目標に即した授業の展開を一人一人が考えました。他教科の教員も教科書や指導書の内容を何回も読み返しながら、理科の担当教員としてどのような授業を行えばよいのかを熱心に考えていました。個人の考えを、ペア(2人)、グループ(4人)と段階的な話し合いで深めつつ、最終的に各グループの発表を行い、全体で意見の交流をしました。
     

≪ 公開授業 ≫

  • ふくらんだエタノールはどんな感触?
     熱湯を使うので、安全に配慮し、軍手や安全めがねを使用しての演示実験です。おそるおそるふくらんだエタノール入りの袋をさわる生徒。触ったとたんにその弾力に驚きの声が上がりました。

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  • エタノールの状態変化を粒子モデルで考える
     各生徒が考えた粒子モデルを実際にiPadに入力させ、プロジェクターで投影。一人一人の異なるモデルが次々と飛び出し、生徒たちは興味津々。さて、どのモデルが正しいのかな。真剣な眼差しで、解説を聞く姿が印象的でした。
     

≪ 研究協議の指導助言より ≫

  • 事前の教材研究が大切
     「この授業で何を教えるのか」「安全で確かな実験結果が得られる実験」など、生徒の実態を正確に把握し、教材から得られる知識をどう指導していくのか、事前の教材研究が大切となります。 
  • ICTの効果的な活用
     「生徒の興味・関心を引き出す」「時間短縮による個別指導の充実」「動画による視覚情報の充実」など、効果的にICTを活用することで得られる成果があります。

≪ 感想より ≫

  • 他教科の教材研究はとても難しかったですが、グループワークで意見交換をする中で自分の考えが“進んで”いくのも実感できたのでよかったです。実験をたくさん取り入れようと考えておられる授業に対する思いも伝わってきたところが良かったです。
  • 現代的というか、教科書や黒板は殆ど使わず、iPadと先生の作ったプリントで吉田先生独自の授業をされているなと思いました。
  • 大変よい刺激を受けました。生徒がワークシートに自分の考えたモデルを記入し考察も自分の言葉で一生懸命書いていることに関心しました。考える時間をしっかりと与え、先生の話を聞くとき、考えるとき、発表するときとメリハリをつけ、時間配分を日頃からよく練られている成果だと思いました。勉強になりました。

 

 「尼崎の防災対策について」をテーマに講話を実施しました。

 さまざまな事例や尼崎市の実態を踏まえた内容を紹介され、防災意識を高める重要性を実感しました。

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 午後は、防災センターの施設で実際に体験しながら研修を行いました。

 避難設備取扱要領では、らせん状の避難袋を滑り降り安全確認しながら避難訓練をしました。

 「降りるのにも肘でブレーキをかけたりコツがある。」との説明に緊張が高まりました。

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 屋内消火栓訓練では、「放水はじめ!」を掛け声に的めがけてホースを握り締めました。

 水圧がかかり、的に当てるのが難しかったです。

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 地震体験では、ゆれると分かっていても恐くなったり、動けなかったりしてしまうことを体感しました。

 もし家具が固定していなければ、もし火をつけていれば…と考えると、日頃からの備えが大切であることを実感しました。

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 119通報訓練では、実際に電話をかけた時の対応をしていただき、状況把握や落ち着いて答えることの大切さを実感しました。

 他にも消火器訓練、煙体験、指令室センター見学を行いました。

<アンケートより>
  • 最新の内容で充実した講話、密度の濃い実習でとても有意義な研修でした。
  • 仕事中に(災害が)起こったとき、いかに子どもたちを避難させるかを考えたいと思います。
  • 非常時に備えて、体験・訓練しておくことでパニックにならず落ち着いて行動できるようになると思う。
 
研修カレンダー
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